二つの巻上室

坑道に入ると、軌道二車線分の広く長い坑道が続く。


主坑道と並行する様に坑道が掘られているのが見えた。休憩所や資材置場の様な小ホール状だったり、何か設備があったものと思われる。二本の坑道を踏破するのは時間が掛かりそうだ。


メインの坑道から逸れて、枝別れしてる坑道を少し歩くとベルトコンベアーの残骸を発見。 主坑道と並行していた坑道はコンベアー専用坑道だったのだ。


主坑道へ戻り水の滴る坑内を更に進む。頑丈な支保工が組まれ、雰囲気が変わる。


鉄骨で補強された先には木造の立坑跡があった。木造ではあるが、少し手直しされている様に見える。 稼働時はここから地中-200mLまで降りていたのだが、下を覗くと残念ながら水没していた。 


崩落を乗り越えてケージの奥へ進むと広いホール状の空間があり、ここが巻上室だった事が伺える。 だが、巻上機は既に撤去されており、何故かレールが引かれている。


奥側にはバッテリー充電設備もあった。 ここの位置は巻上室で間違いなさそうだが、晩年はトロッコ停車場とバッテリーロコの充電室として使用していたようだ。 軌道の終点にはバッテリー交換用の台座基礎がある。手前には普通の長靴よりも一段と長い作業靴が置いてあった。


立坑から真横に伸びる坑道を進むと、再び広い空間になっており何故か二つ目の巻上室があった。 こちらは基礎が残っており、恐らく先程の巻上室を廃止してここへ新たに巻上設備を移設したようだ。新たな鉱床の開発へ向けて、立坑を延長させた事により、巻上設備一式を新設させた事が判明した。


立坑ケージの近くには火薬庫もあったが、内部は湿気により木材が腐り崩壊していた。

日本の鉱山記録写真

Mining in JAPAN

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