採掘坑道

入坑して間もなくシュリンケージ採掘にぶつかる。これは坑口側を振り返ったところだが、縦長に伸びる採掘跡が軌道に沿って奥まで続く。細いながらも線上に深く凝縮された鉱床だった事が分かる。レールを辿って行くと一部陥没しており、採掘跡はズリ捨て場になっていた事が伺える。足元は落とし穴のように口を開け、軌道が空中に浮いていた。


T字の頼りない支保工がヤマを閉じさせまいと不規則な間隔で並ぶ。やがてシュリンケージは小さな坑道へと変わり、僅かな鉱脈だけが確認できる。足元に並べられた坑木は鉱石の枯渇と共に放棄されてしまった物なのだろうか。

暗闇の坑内で頭上にライトの光を当てながら天を仰ぐ。

どうやって迷い込んだのか、坑道の終端にはハクビシンが巣を造っていた。

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