残された二基のケージ

坑口からわずか50mたらずの坑口から光が届かない所まで来て初めて分岐が現れる。 左は頑丈な柵で閉ざされているので、まずは軌道の伸びる右側の主坑道と思われるメイン側を直進する事にした。


突如、天井の高い空間に出た。明軌道はいつの間にかコンクリートに埋まり、メインの坑道はこの施設に通じる為のものだったのだ。制御盤の類と巨大なタンクが3本並んでいるが、ここが何の為の空間なのか分からない。見るからに錆びついた階段を手すりに掴まりながら一歩ずつ慎重に足を進める。


上に登った所で初めてこれが水槽と分かった。理由は分からないが、閉山後に貯水していたのかも知れない。現在では水も無いので、完全に放棄された事が伺える。左奥に階段が見えるので近づいてみる。


この急傾斜の斜坑に、この大きさの空間となると思う浮かぶのは巻上室だ。この鉱床から採掘が終了すると、巻上機を撤去した後にポンプで汲上げた湧水の浄水、排水施設として機能していたのだろう。この階段の先、先程の左の空間には立坑があるはずだ。


戻るとそこには立坑ケージが残置されていた。 不思議な事に支柱が無く、巻上機と接続されていないが、ケージだけがH鋼に乗っかった状態でそっくりそのまま残されていた。 資料によるとこの立坑は地下233mの採掘現場まで降りていたが、現在は埋められてしまっているようだ。

日本の鉱山記録写真

Mining in JAPAN

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